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性を売るということ。売春と性依存症の関係性について

更新日:2021年6月15日

売春と聞くと、一般的には経済的困窮により風俗業などで働くことを余儀なくされることを想像されがちですが、実際には売春にも様々な形態があり、複雑な心の問題が大きくかかわっています。


自分の性的行動を対価にお金を受け取ることを「売春行為」と言いますが、その形態は実に様々です。売春行為は男女共通して存在しています。風俗業に従事するセックスワーカーとしての売春行為が代表的ですが、援助交際やパパ活・ママ活といった言葉に代表される「個人売春」、個人売春を取りまとめる「売春斡旋」、またセクシャルマイノリティを対象とした売春行為も存在します。


売春行為に至る理由は様々です。

一般的には、金銭的理由で仕方なく「風俗堕ち」するといった言葉を使ったりもしますが、実際には金銭的に困窮していないにもかかわらず、売春行為に手を染める人たちも一定数存在します





「自分の価値」を確かめるための売春


私は個人売春の経験があります。いわゆる援助交際と呼ばれるものです。

セックスを対価にお金をいただくことを何度か繰り返していました。

当時は学生でアルバイトもしていたし、遊びに歩くわけでもないのでお金に困っていたわけでもありません。

それでも私は個人売春に手を出しました。

理由は、「自分にお金を出してセックスしてくれる人がいるのか」確かめたかったというのがあります。

私は恋愛がうまくできず、彼氏を作るということが上手くできなかったことにコンプレックスを抱いていました。それが、「自分には女性的な価値がない」という自己無価値感に繋がっていたのです。

結果的にいえば、私にお金を支払ってセックスをしてくれる異性はたくさんいました。

中には「また次もお願いしたい」と声をかけてくださる人もいました。

私はこの時に、「セックスをすれば自分に価値を見出せる」と実感したのを覚えています。


無価値な自分に、性的な価値を見出すことができてしまうのが、売春の一つの側面です。


自分の身体を切り売りする「自傷行為」としての売春


「セックスを売ることで得られる自分の価値」は自分に対する自信を手軽に積み重ねられると思っている一方で、お金をまじまじと見つめながら、「何馬鹿なことやってるんだろう」という罪悪感も襲ってきます。


一般的に考えれば、セックスというものは愛し合った相手とする「愛情のある行為」という位置付けにあります。それなのに、自分は見ず知らずの相手に会ったその場で身体を明け渡し、対価にお金をもらっているわけです。中には、避妊を拒む人もいたり、最悪の場合脅されたり事件に巻き込まれるリスクも存在する、自らを危険にさらす行為であることは自覚していました。

こうした、自らを危険にさらすことをあえてしてしまう、「自傷行為」としての側面も大きかったと感じています。


「空虚感」を埋めるための手段としての売春


売春行為に手を染めるきっかけとして、意外と大きな理由を占めているのが「空虚感を埋めたい」という欲求であると私は考えています。言葉を変えれば、「一人でいるのが耐えられない」「人肌恋しい」「寂しい」といった形に言い換えることができるものです。

私の場合も、とてつもない空虚感に苛まれていました。

とにかく一人でいる時間を少しでも減らしたい一心で、隙間を埋めるように相手を探しては売春を繰り返していた記憶があります。


「空虚感」を埋めるという目的には、誰かと一緒にいられて、何も考えずに没頭できるセックスは非常にぴったりとマッチします。

なおかつ、対価としてお金がもらえるとなると、売春に没頭している時は「空虚感を満たしながらお金も稼げる」といったように、まるでメリットが大きいように思えてくるのです。


しかし、当然ながらこれはメリットにはなりえません。

何も考えずに没頭していられるのはセックスの間だけですし、空虚感を埋められるのもお金をもらって誰かと一緒にいるときだけです。

1人になった途端、強烈な空虚感が再び襲ってくるのです。そして再び、空虚感を埋めるべく売春に手を染めます。


全ての売春行為が私の経験したような心の問題が該当するわけではありません。

経済的困窮が理由で、仕方なく売春に至る人たちもたくさんいるのは事実です。


しかし、このように、売春行為とは「お金のために仕方なく従事する行為」ではなく、心の問題から手を出してしまう「性依存としての行為」の側面もあるということを、性依存症の当事者として発信していきたいと感じています。


売春から抜け出したくても抜け出せない人へ


様々な理由から売春行為に至り、本当はやめたいと思っていても、稼ぎの良さからなかなか抜け出す決心がつかなかったり、年齢的な限界を迎えているけれど、売春をやめてどうやって生活していけばいいのかわからないといった切実な思いもたくさん存在していると思います。


こうした悩みにも、可能な限りお話を伺って、一緒に考えていけたらいいなと思っています。

メールやオンライン相談で、悩みを吐き出してみてください。


オンライン相談はこちらから。





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