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回復のきっかけは「スマブラ」 性依存症当事者ぺろたんさんの体験談

当事者の方からいろいろな相談をいただくことは多々ありますが、この度「私はこうして性依存から抜け出しました」という実体験をお寄せいただきましたので、紹介させていただこうと思います。





はじめまして。 セックス依存症をスマブラで克服した者です。 元々性欲が強い方でしたが、10代の頃にレイプをきっかけにドM淫乱になる事でプライドを守っていて、それが私のジャスティスだったのですが、気づけば依存症で1日に6人を相手にする日もあり、SMプレイも多かったので生傷が絶えませんでした。
ある日突然思いつきで「セックス依存症治そ」ってTwitterで呟いたら、今までまんこに群がっていたフォロワーさん達が応援してくれて、「セックス以外の過ごし方」や「性依存について科学的に分かっている事」などを色々教えてくれました。
中でもスマブラは4人で対戦出来るので、会いたがってくれてたけどあまり相手にしていなかったフォロワーさんとも会える機会になり、3人の男性がそれぞれ牽制し合ってくれたので私にはとても効果がありました。
それをきっかけにセックスしなくても愛して守ってくれるんだ、楽しく過ごせるんだ、と気づいて、徐々にセックスの回数が減り、長い時は1ヶ月しなくても済むようになりました。
長々と自分語りしてすみません… 同じようにセックス武装する事で自分を守っている人が、逆にセックスの為にスケジューリングするようになってしまって生活の中心がセックスになってしまい、本当にやりたい事が出来なくなってしまっている人の力になれたらな…と思ってDMを送らせていただきました。(原文のまま掲載)

レイプ被害をきっかけに、被虐的な性行為を中心に生活がまわるようになってしまったというぺろたんさん。このように、性被害をきっかけに性依存に陥るパターンもたくさんあります。

これはPTSDにおけるトラウマの再体験といった、「自分にとってのトラウマ的出来事の状態を再度引き起こそうとする」という症状にも当てはまると言われています。

何度も被虐的体験を繰り返すことで、「レイプ被害はそれほど深刻な被害じゃなかったんだ」と心の中で被害を矮小化(事を小さくとらえようとすること)しようとします。


しかし、被虐的体験を繰り返すうちに、被虐的行為と性行為の快楽が結びついてしまい、被虐的性行為に溺れてしまい、依存してしまうと、性行為中心に生活をスケジュールするようになってしまい、「生活の中心がセックスに支配される」状態になってしまうのです。


「セックス依存症治そ」というツイートで集まる「回復に役立つ繋がり」


思い付きでツイートしたという「セックス依存症治そ」というツイート。

これに対しフォロワーさんが応援してくれたことが、まず一つの回復のきっかけではないかなと感じました。

性的価値に対して群がっていたはずのフォロワーさんが、ぺろたんさんの性依存症の回復を前向きに応援してくれたこと。

そして、具体的な情報として「セックス以外の過ごし方」や「性依存について科学的にわかっていること」を提供してくれたこと。


回復しようとする時、誰もが「自力でお金をかけずに治す方法はないものか」とこっそり情報を模索します。しかし、依存症において「一人で誰の力も借りずに治す」というのは無理だと言っても過言ではありません。

ぺろたんさんは、「セックス依存症を治したい」という意思を周りに伝えることで、周りを頼る勇気を持てていたということが、大きな強みであったように感じます。


自分に合った方法を見つけた結果が「スマブラ」だった


スマブラは4人で行う対戦型格闘ゲームですが、この「4人でやる」というのが、セックスとは別の異性との過ごし方の形としてぺろたんさんにフィットしたそうです。そしてスマブラをしながら時間を過ごす体験を通じて、「セックスをしなくても愛して守ってくれるんだ、楽しく過ごせるんだ」という気づきを得たとぺろたんさんは語っています。


この「セックスなしでも人に受け入れてもらえるという体験」は、特に女性の性依存症においてはかなり重要な気づきであると思います。

性依存症の当事者の多くが、「自分の性的魅力=自己有用感」という歪んだ認識を持っていることが多いです。つまり、セックスをするからこそ自分には価値があり、セックスしないと自分の存在価値がわからないという状態に陥っていることが多いのです。


「セックスなしでも人に受け入れてもらえる体験」をすると、「セックスしないのにここにいていいのだろうか?」という、普通の人から考えると少し妙な気持ちになります。この感情を受け入れることができ、「私はセックスしなくても人と楽しくすごしていいんだ」と価値観を塗り替えてあげることができると、性的魅力に自分の価値を見出さなくても、自己肯定感を持てるようになります。


ぺろたんさんにとっては、性依存症からの脱却のきっかけは「スマブラ」による他者との健全な交流だったようです。


このように、性依存症から抜け出すきっかけや、対策に使う手段というのは、人それぞれ選択が可能です。根性論の「禁欲」では絶対に回復できません。

自分に合った、「セックスしなくても人と楽しく過ごせる方法」を見つけること。

これが、性依存症から抜け出すためにとても大切なことだなと実感しました。


最後に、ぺろたんさんからのメッセージです。


性依存への苦しみを理解し助けてくれる人が居る事、性依存を利用される不安などから言い出せない場合は医療機関やSAHSポータルサイトなどの相談機関を活用してほしい、決して一人ぼっちで苦しまないで欲しい

ぺろたんさん、貴重な体験談をありがとうございました。


ぺろたんさん Twitter: https://twitter.com/perotan2021


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